自分の登山史を飾ろう!をコンセプトに作られた、これまでにない山バッジディスプレイスタンドⅡ。
この製品は、山バッジの多くに採用されている「安全ピン型」に対応した、初代ディスプレイスタンドの後継モデルです。
初代では、内蔵マグネット付きの専用アタッチメントを使って、バッジを本体に取り付ける仕組みを採用していました。↓

初代山バッジ取り付け用アタッチメント

初代山バッジ取り付け用アタッチメントの取り付けシーン
しかし、山バッジに使われる安全ピンのサイズや形状にはばらつきがあり、このアタッチメントをどのバッジにも対応させるには、多くの時間と試行錯誤が必要でした。
結果的には、安全ピンの幅が極端に狭いタイプ以外は、ディスプレイ本体への取り付けが可能となりました。
ただし、山バッジの中には「バタフライクラッチ」(裏に針がついているタイプ)も存在しており、全てのバッジに対応できるわけではない点は、課題として残りました。
一方、このアタッチメントは金型を使って射出成形する必要があり、製造コストが大きな負担となっていました。ディスプレイ1台あたりに必要なアタッチメントは9〜12個。それだけでもコスト増となり、結果として販売価格は約10,000円に。
「山バッジが主役であるはずなのに、脇役のディスプレイにこの価格は高すぎるのではないか」──私自身、そう感じ悩みました。
ではどうすれば、ネックとなっていたアタッチメントのコストを抑えられるのか?
最も効果的な方法は、大量に製造して1個あたりのコストを下げることです。しかし、この製品がどれだけ売れるか見通せない中で、大量生産のリスクを取ることはできませんでした。
そこで方向転換。
アタッチメントの大量生産は見送り、他の部品や工程の見直しにより、可能な限りコスト削減を図りました。その結果、現在の税込8,800円という価格に落ち着いたのです。
半開発から半年ほどが経過した頃、コストの問題に加え、「すべての山バッジに対応できていない」という課題が、やはり大きく立ちはだかっていました。そこで、根本的な仕様の見直しに着手することにしました。
まず取り組んだのは、アタッチメントの構造の再検討です。
最初に考えたのは、安全ピンを、もっとシンプルな仕組みで固定する方法でした。たとえば、安全ピンを裏側から「棒状のストッパー(以下、棒ストッパー)」で押さえるだけの構造ならどうか、という案です。

棒ストッパー(試作品)
この棒ストッパー方式なら、内製化が可能なため、アタッチメントの製造コストを大幅に抑えることができます。この方向で試作を進めた結果、製品化への道筋が見えはじめました。
しかし一方で、新たな懸念も生まれてきました。「もしこの棒ストッパーが紛失したら?」「折れてしまったら?」「バッジの付け外しをするたびに、この小さな棒を管理するのは面倒では?」──そんな不安が拭いきれず、納得のいく仕様とは言い切れないままでした。
もっと簡単で、失くす心配もなく、ユーザーにとってストレスの少ない方法はないか。
もう一度、原点に立ち返って考え直すことにしました。
そこで、思いついたのが、この棒ストッパーをディスプレイ本体に内蔵してしまう、ということです。これは画期的なアイデアでした。
棒ストッパーも試作を続けアルミ製になったことで強度が増し、懸念点を払拭することができたました。
しかも、山バッジディスプレイスタンドⅡは、安全ピンタイプのバッジだけでなく、バッジ裏側が針型になっている「バタフライクラッチ」にも対応しています。ディスプレイ本体裏側の形状を工夫することで実現しました。いやほんとに、よく考えついたと自分を褒めてあげたいなと思いました。
従来は射出成形で製作していたアタッチメントを、アルミの切削加工により内製化することで、製造コストの削減。結果、販売価格も抑えることが可能となり一石二鳥どころか一石三鳥を実現しました。
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